プラスチックの基礎知識

ABS樹脂(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂)基本情報

ABS(エービーエス)樹脂の物性の基本情報について

  1. HOME
  2. プラスチックの基礎
  3. 物性
  4. 熱可塑性樹脂
  5. 汎用樹脂
  6. ABS

ABS樹脂 :機械的性質がバランス良く、汎用性が高い樹脂

ABS(エービーエス)樹脂の名称・呼称、外観など

ABS樹脂画像
  • 名称アクリロ二トリル・ブタジエン・スチレン樹脂
  • 略号ABS (Acrylonitrile Butadiene Styrene)
  • 呼称エービーエス」と呼ばれる。
  • 外観自然色: 乳白色半透明、または薄い肌色

 

ABS(エービーエス)樹脂の化学式

ABS樹脂の化学式

アクリロ二トリル(左)、ブタジエン(中央)、スチレン(右)からなる、三元共重合体(ターポリマー)。
この三者の比率によって、様々な特性を持つようになる。

 

ABS(エービーエス)樹脂の特徴

ABS樹脂は、上記3つの樹脂(アクリロ二トリルブタジエンスチレン)の特徴をもつプラスチックで、非晶性のスチレン系熱可塑性樹脂。 


長所

機械的強度のバランスが良い
3種類のプラスチックの機械的性質があらわれる。
• アクリロニトリル 耐熱性、機械的強度(剛性)、耐油性に優れる。
• ブタジエン ゴムの特性である耐衝撃性に優れる。
• スチレン 光沢性、成形性(加工性)、電気的特性が良い。
寸法安定性に優れる。
耐薬品性
酸やアルカリには耐えるが、有機溶剤には溶ける。
加工性が良い
各種成形加工(射出・押出・真空・中空・カレンダー加工)、切削、接着、溶接、
メッキ、塗装(あらゆる色に着色可能)など。
その他

短所

耐候性はあまり良くない。 (長時間の日光照射で劣化)
可燃性である。 (難燃性グレードもある)
耐溶剤性が弱い。

ABS樹脂ができるまで

上図は、ABS樹脂が開発されるに至った流れである。 
PS(ポリスチレン)の良さを維持しながら弱点をカバーするため、合成ゴムを用いて改善したのがHIPS(ハイインパクトポリスチレン)、アクリロニトリルを共重合させたのがAS樹脂である。 が、HIPSは耐熱性と剛性に、AS樹脂は耐衝撃性において十分ではなかった。 
これらの残された問題点について、AS樹脂に合成ゴム(BR・SBR・NBRなど)を配合して解決したものがABS樹脂である。


掲載情報のご利用について 
上記掲載情報は、内容を保証するものではありません。 参考程度の情報としてご利用ください。 設計・製造の際は、各材料メーカーより直接情報を入手されることをお勧めいたします。
プラスチック材料の取り扱いについて
お取り扱い可能なものとできないものがあります。 お手数ですが都度お問合せ下さい。 なお、プラスチック材料のみの販売は行っておりません。
  • 図面作成サービス
  • プラスチック加工サービス
  • 受付可能なCADデータ