プラスチックの基礎知識

PEEK(ピーク)樹脂の物性基本情報

PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)樹脂の物性の基本情報について

  1. HOME
  2. プラスチックの基礎
  3. 物性
  4. 熱可塑性樹脂
  5. スーパーエンプラ
  6. PEEK

PEEK樹脂: スーパーエンプラの代表格、バランス良い物性

PEEK樹脂の略号・名称

PEEK 材料
  • 略号PEEK (Poly Ether Ether Ketone)
  • 名称ポリエーテルエーテルケトン樹脂
  • 呼称ピーク」と呼ばれる。
  • 外観自然色: 灰色、または薄茶かかった灰色

 

PEEK樹脂の化学式

PEEK樹脂の構造式

ベンゼン環がパラ位置でケトンとエーテル結合で連結した構造。

 

PEEK樹脂の物性の特徴

高い耐熱性、機械特性を備え、エンプラの性能を上回るスーパーエンジニアリングプラスチックであり、先端分野を支える重要材料。
ケトン系プラスチック、更にスーパーエンプラの代表格である。 高価であるが、耐熱性、機械的強度、耐薬品性など優れた熱可塑性高機能プラスチック。 ICI社(英)が1978年に開発。

長所

抜群の耐熱性、高温特性
連続使用温度約240∼250℃、融点は334℃で熱可塑性樹脂で最高ランク。
荷重たわみ温度(荷重1.86MPa)は、非強化品で152℃、炭素繊維強化グレードでは20%で285℃、30%で315℃。
高い機械的強度
強靭性であり、耐衝撃性はPES(PESU)に匹敵する。 引張、クリープ、疲労(PIと同等)、磨耗(PAと同等)に強い。
繊維強化グレードは、更に強度が増す。
耐薬品性に優れる
濃硫酸には溶解するが、高温時において、その他の酸、アルカリ、有機溶媒にも耐える優れた耐食性をもつ。
燃えにくい、発煙しにくい
UL94V-0が認定されている。燃焼時、刺激性のガスは発生せず、煙も非常に少ない。
耐スチーム性
高温水蒸気下でも加水分解を起こさない。
耐放射線性が良い
放射線による劣化が起こりにくい。1000Mradまで絶縁性を保持。
優れた電気絶縁性

短所

高価である。

加工性の特徴

マシニング加工(機械加工)、成形、溶接加工可能。 曲げ加工×。


掲載情報のご利用について 
上記掲載情報は、内容を保証するものではありません。 参考程度の情報としてご利用ください。 設計・製造の際は、各材料メーカーより直接情報を入手されることをお勧めいたします。
プラスチック材料の取り扱いについて
お取り扱い可能なものとできないものがあります。 お手数ですが都度お問合せ下さい。
  • 図面作成サービス
  • プラスチック加工サービス
  • 受付可能なCADデータ