プラスチックの基礎知識

塩ビの加工ご依頼時のポイント プラスチック加工初心者の方のために

  1. HOME
  2. プラスチック加工に関するお役立ち情報一覧
  3. 塩ビの加工ご依頼時のポイント プラスチック加工初心者の方のために

 

ポリアセタール加工やプラスチック加工の知識

塩ビの加工を依頼する前に、塩ビについて基本的な知識を得ておきましょう。塩ビは、生活に浸透したプラスチックであり、工業用にも多用される重要なプラスチックです。優れた特徴を持つ塩ビについてその特徴を把握し、適切な加工方法についても押さえておくと、設計において活用しやすくなります。

【塩ビの加工】塩ビについての知識を解説!

塩ビの加工を依頼する前に、塩ビについて基本的な知識を得ておく必要があります。塩ビは、日常生活においてあまりにも浸透したものであるゆえに、特に着目したことがないという人も多いでしょう。優れた特徴を持つ塩ビについて把握しておくと、活用方法がイメージしやすくなります。まずは、塩ビの特徴や加工方法について解説します。

【塩ビの加工】依頼前に知りたい「塩ビの特徴」

特徴と虫眼鏡

塩ビはプラスチックの一種で、1931年にドイツで生まれました。日本に登場したのは1941年のことで、以来幅広い用途で使用されています。瞬く間に、工業をはじめ日常のなかに浸透した理由として、次のような特徴が挙げられます。

◇難燃性が高い

多くのプラスチックが可燃性であるのに対して、塩ビは燃えにくい性質(難燃性)を持っています。また、燃焼した場合の放熱量も非常に小さいため、延焼しにくいのも特性です。着火温度は455℃と非常に高く、簡単に火がつくことはありません。こうした理由から、火災の危険性が低く、災害時におけるリスクを軽減することができます。

◇薬品や油に溶けにくい

塩ビは酸やアルカリ、油などに対する耐性に優れています。すなわち、各種反応液、廃液に含まれる酸やアルカリにも影響されませんし、有機溶剤(ケトン類や環状エーテル類を除く)にも溶けにくい性質を持っています。こうした特徴から、水や電気などのライフラインをつなぐ配管や配線にも使われています。また、半導体製造装置部品や電子回路などにも適しています。

◇耐久性、耐食性が高い

塩ビは、耐候性、耐加水分解性が非常に高い点も特徴で、長く使用できる材料です。例えば、塩ビ配管の耐用年数は、50年を越えるともいわれています。また、塩ビは金属のように錆びたり腐食したりすることもありません。そのため、建築現場や食品製造装置部品にも多く使われています。

【塩ビの加工】依頼前に知りたい「塩ビに適する加工」

塩ビは加工の自由度が高いため、加工する形状や用途によって、設計製作方法を幅広く選ぶことができます。以下では塩ビの主な加工方法をご紹介していきます。

◇切削加工

CNCルーター加工
半導体製造装置用部品(PVC)
ポンプ部品

ドリルやエンドミルといった工具を活用した塩ビの加工方法です。表面を削ったり穴を開けたりすることで、必要なサイズや形を作ることができます。旋盤やマシニングセンタという工作機械に工具と塩ビ材料をセットして行います。金型を使わないで設計製作できることから、低価格で実現する加工方法の一つです。

◇溶接加工

溶接加工

塩ビ素材を、溶接棒を使って接合する方法です。溶接を行う部分にホットジェットガンで熱風を噴射させて、塩ビの溶接棒を溶かしながら塩ビのパーツを接合させていきます。塩ビ同士が溶融して結合するため、接合方法の中では強度がある方法です。

◇接着加工

接着加工

溶剤を使って塩ビパーツの接合部を溶かし、再び固まることで接合させる方法です。例えば、箱型のカバー筐体、水槽などを作る際、塩ビ板の接する部分に溶剤を注入し、比較的短い時間で接合が完了します。一般的には、塩ビの溶接加工の補助として接着が行われます。

◇曲げ加工

装置カバー曲げ加工
PVC(塩ビ)板5mmの曲げ加工
パイプ曲げ加工

塩ビの材料の一部に熱を加えて柔らかくし、力を加えて曲げることができます。型に合わせることで、正確に曲げ加工を行い、接着や溶接をすることによって写真のような塩ビパーツを作ることができます。

◇射出成形

金型の中に樹脂を射出機から射出し、圧入することで成形する加工方法です。立体的に加工することが可能で、バケツやコンテナなどあらゆるサイズの製品を設計製作する際に使われています。

◇押し出し成型

塩ビ樹脂をシリンダーに入れて、スクリューで押し出す加工方法です。押し出される口金部分の形状を工夫することで、パイプやチューブのような筒型にしたり、フィルムやシートといった板状にしたりできます。

◇熱成形

シート状になった塩ビを柔らかくしたのち、型に押し付けて成形する方法です。一般的に、卵のパックやトレーといった薄い容器を製造する際に活用されています。また、空気を送って金型に密着させる圧空成形も熱成形の一種です。こちらは、底の深い製品を作る際に重宝されます。

【塩ビの加工】塩ビの用途や使用のメリット・デメリット

塩ビは、低価格でありながら設計製作がしやすく、汎用性が高い優れた素材です。例えば、工業用の各種部品、半導体製造装置部品、そして電気・電子部品にはかなりの頻度で使われています。そのほか、世界中のあらゆる分野のシーンで塩ビ素材が使われています。また、使用するメリットも非常に多いため、しっかりと押さえておくと設計製作を依頼するうえでのヒントになります。塩ビ素材が使われている代表的な製品や、塩ビを使ううえでのメリットについて解説していきます。

【塩ビの加工】依頼前に知りたい「塩ビの代表的製品」

3芯ケーブル

◇半導体製造装置部品

精密度が要求される半導体製造装置部品の設計製作でも、塩ビ素材は活躍します。多くの半導体製造装置部品は、硬質の塩ビが材料です。また、半導体製造装置部品に欠かせない耐薬品性も兼ね備えているため、なくてはならない素材です。

◇食品製造装置部品

塩ビは、食品衛生法の基準を満たす、安全性の高い素材でもあります。そのため、食品製造装置部品にも活用されます。例えば、食品製造装置部品に使われるトレーや配管など、食品と直に触れる部分にも採用されています。また、酸や油に強い点も、食品製造装置部品に使われる理由の一つです。

◇自動車の各種部品

塩ビは、ハンドルやシートなどの自動車における各種部品にも多く使われています。さらに新幹線の内装材にも使われるほどで、その耐久性の高さが伺えるでしょう。そのほか、エアバッグの表皮材や自転車のサドルなどにも活用され、独特の質感を演出するのにも一役買っています。

◇建築用各種部品

多くのプラスチック製品は、荷重がかかった状態で長時間置いておくと、変形してしまいます。こうした現象をクリープ現象といいますが、塩ビ素材は変形しにくいのが特徴です。そのため、建築における内装や外装の各種素材としても重宝されています。例えば、窓枠やパネルなどにも使われているため、普段目にすることも多いと思います。

◇電気・電子部品

塩ビは、絶縁性や誘導率といった電気特性に長けた素材です。そのため、電子部品の設計製作にも多く使われています。また、難燃性の高さも電子部品には欠かせません。絶縁テープや配線カバー、通信線を保護することができる点も、塩ビが電子部品に役立つ要因です。また、電子部品内部に使う被覆材やテープは、柔らかさも必要です。軟質塩ビは柔軟性を自在に変えられるため、細かな作業においても活用しやすい材料です。

【塩ビの加工】依頼前に知りたい「塩ビのメリット」

メリット

◇低価格

塩ビのメリットは、何といってもリーズナブルであることです。素材自体が非常に低価格で入手でき、加工の容易さや軽さから、運送費や加工費も抑えられます。そのうえ、多くのメリットを持っているため、コスパの高い素材ともいえます。

◇壊れにくい

塩ビは物理的強度が高く、劣化しにくいため、簡単には壊れないといったメリットがあります。食品製造装置部品や自動車、建築用の各種部品などに多く活用されるのも、安心して長く使える点が理由の一つです。

◇透明性がある

塩ビには、透明グレードもあります。その透明性はアクリルと比べると劣るものの、低価格で使えることから、窓や透明間仕切りなどといった建築用各種部品や、アルバム用のフィルム、ラップなど透明性を求められる製品に使われています。

◇印刷できる

塩ビ素材は、接着性や印刷性に優れています。例えば、革小物やカバン、靴などを塩ビ加工すると、自由にプリントや着色をすることができるため、表現の幅が広がります。また、建築現場においては、壁材や床材に木目を印刷することで、低価格で個性あふれるインテリアにできます。

◇加工しやすい

塩ビが私たちの生活に浸透した理由の一つが加工のしやすさにあります。電子部品に使われる極小のものから建設現場における巨大なシートまでサイズも幅広く、柔らかさも自在なため、あらゆる製品・部品に適しています。

【塩ビの加工】依頼前に知りたい「塩ビのデメリット・注意点」

デメリット

◇加熱時に塩素ガスが発生する

塩ビは汎用プラスチックの中では機械的強度が最も大きいと言われていますが、その所以は極性の強い塩素原子を有していることにあります。これにより分子間力が強いため、硬い樹脂となるのです。しかし、塩ビ樹脂は170~180℃程度の温度になると、分子内の塩素・水素が離脱し、塩化水素を発生させます。分解により分子構造に不安定な部分ができてしまうと、塩化水素の離脱はより促進され、連鎖的に分解が進んでいきます。

また、不完全燃焼の場合にはダイオキシンが発生します。ダイオキシンの構成元素は炭素、水素、酸素、塩素であり、中でも塩素は自然界や人が摂取する食品、建材など身近なものにたくさん存在することから、日本では焼却炉をより完全燃焼に近い条件で稼働させるよう改善しました。それによりダイオキシンの生成を抑制することができますが、建材に使用されている場合火災によってダイオキシンが発生する可能性があることから、塩ビを使用する際には燃焼時に発生する有害物質についてもきちんと知っておく必要があります。

◇環境規制について

「RoHS(ローズ)」をご存知ですか?こちらは、「Restriction of the use of certain Hazardous Substances in electrical and electronic equipment」の略称で、直訳すると「電気・電子機器における特定有害物質の使用制限」のことです。「RoHS(ローズ)」により使用制限されている有害物質は全部で10個ありますが、その中に塩ビに用いられる物質も含まれています。それが、「鉛」と「フタル酸エステル類」です。

もともと「RoHS(ローズ)」で使用制限されていたものは、鉛・水銀・カドミウム・ポリ臭化ビフェニル・ポリ臭化ジフェニルエーテルであったため、鉛はかなり前から不含有となっていました。しかし、2015年6月に新たにフタル酸エステル類4物質が追加されたことにより、今まで塩ビ樹脂を柔らかくする可塑剤として使用していたフタル酸も使用できなくなっています。

塩ビの加工を依頼するには

株式会社KDAは、50年を超える塩ビの加工経験、塩ビの知識を蓄積しています。皆様の設計の実現に向け、最適な塩ビ材料、加工方法をご提案しておりますので、お気軽にお問い合わせください。

塩ビ加工の依頼をお考えなら株式会社KDAへ

 
会社名 株式会社KDA (ケーディーエー)
代表取締役 木田 行則(プロフィールとごあいさつ)
住所 〒144-0055 東京都大田区仲六郷4丁目2−1
TEL 03(3733)3851
事業内容 プラスチック部品加工、セラミックス部品加工