プラスチックの基礎知識

ポリアセタール加工の特徴・プラスチック加工のメリット

  1. HOME
  2. プラスチック加工に関するお役立ち情報一覧
  3. ポリアセタール加工の特徴・プラスチック加工のメリット

 

ポリアセタール加工やプラスチック加工の知識

金属の代用品としても人気のあるプラスチック素材・ポリアセタール。重く、サビて腐食しやすい金属からの置き換え等々、需要のある素材です。今回は、ポリアセタールの理解を深める知識などを紹介します。

ポリアセタールとは?加工依頼前に知っておこう

ポリアセタールというプラスチックがあることは知っているけれど、いまいちどんな性質を持っている素材かわからない方も多いと思います。設計製作をするにあたって、性質を把握して、正しく活用しましょう。また、この素材は、いくつかのタイプに分けることができますので、より適したタイプを選択して設計製作しましょう。

【ポリアセタール加工】ポリアセタールとは

部品(ポリアセタール)

ポリアセタールは1952年頃に初めて合成されました。開発したのはテフロンで有名な米国デュポン社で、1956年にホルムアルデヒドから合成し、DELRIN(デルリン)という商標で市販しました。製造がスタートしたのは、1960年に入ってからです。その後、Celenese社(現Ticona社)によって、ジュラコンという商標のポリアセタールが生み出されています。ポリアセタールは、主鎖がメチレン基と酸素によるポリエーテル構造。すなわちその繰り返しがオキシメチレンであることから、ポリオキシメチレン(POM)ともいわれています。

物性のバランスがよく、汎用エンジニアリングプラスチックとして多く用いられています。成形加工、切削加工等、加工性もよい素材です。この素材は、衝撃に強く剛性も高いため、多少曲げてしまっても、製品が破損することがありません。硬度は金属と近いうえに、金属の弱点をカバーすることができます。例えば、以下のような部品においてもその力を発揮しています。

  • ・自動車の各種部品
  • ・電子部品
  • ・半導体製造装置部品
  • ・食品製造装置部品

さらに、特筆すべきは耐摩耗性の高さです。この素材は、摩耗しやすい各種部品においても頻繁に使用されています。ただし、ポリアセタールの分子の構造には酸素が含まれていることから、難燃性は高くありません。そのため、火気を取り扱う現場では、扱い方を工夫します。また、光や紫外線などにもあまり強くないため、屋外での使用に注意が必要です。変色や物質そのもの変化などのデメリットが生じる可能性も否めません。

そのほか、接着性があまりないため、メッキや塗装を施しにくい素材です。一方で、溶接は可能です。こうした性質を踏まえたうえで、設計製作をする必要があるでしょう。

加工前にポリアセタールの種類を知ろう

ギア部品(ポリアセタール)

ポリアセタールは、分子の構造の違いにより2種類に分けられます。

・デュポン社のものはホモポリマーで、構造はホルムアルデヒドのみが重合したものです。

・ジュラコンは、ホルムアルデヒドにエチレンオキシドがプラスされたコポリマーと呼ばれるものです。

結論から言うと、どちらの種類も基本性質は変わらず、ほとんど類似素材とみなされます。ポリアセタールのホモポリマー(単独重合体)は、結晶性、融点、荷重たわみ温度が高く、短期的な機械的強度がわずかに優れています。ポリアセタールのコポリマー(共重合体)は、主鎖にC-C結合が含まれホモポリマーより安定的で、熱安定性、耐薬品性もやや優れています。上記の性質を理解したうえで、加工や設計製作を依頼されるお客様の中には、材料を指定される場合もあります。ポリアセタールは、グレードの幅が広い素材です。

例えば、ガラス繊維を強化しているグレードでは、耐疲労性が高まります。そのため、食品製造装置部品や自動車の各種部品など、繰り返し同じ動作をする製品に向いています。また、ポリアセタールは紫外線に弱いのですが、耐候性を高めたグレードも登場しています。車の各種部品や電子部品などは、衝撃に対する抵抗力が高いものや柔軟性を高めたものもあります。このように、グレードによって特化した性質があり、シーンに合わせて選びます。

ポリアセタールの物性・加工・用途について

ポリアセタールの主な物性を紹介し、当社でできる加工、そしてポリアセタール製品の用途をご紹介します。

【ポリアセタール加工】知っておきたい物性

◇結晶化度

結晶化度が70~90%で、結晶性プラスチックの中でも高いほうです。機械的強度のバランスがよい素材です。

ガンボディ(ポリアセタール)

◇ポリカーボネートと比較

引張強度、曲げ強度が同じくらい、圧縮強さは勝り、衝撃強さは劣ります。耐疲労性、耐クリープ性、弾性回復性は優れています。

◇耐摩耗性・高摺動性

ナイロンに次ぐ優れた耐摩耗性を有します。結晶樹脂で、自己潤滑性・摺動特性も高いです。

◇熱的特性

ホモポリマーの荷重たわみ温度は124℃で、熱安定性に優れています。他のエンプラより融点は低いですが、使用可能温度範囲は-40~110℃と低温から高温まで幅広く使用できます。

◇寸法安定性

ポリアセタールは吸水性が小さく、機械的強度にも優れているため、寸法安定性がよい素材です。

◇自己消化性

酸化指数が高く、難燃処理も施すことができないため、自己消化性は低いです。

◇耐薬品性

優れた耐溶剤性があります。常温で様々な有機溶剤に侵されませんが、酸には弱く、アルカリにはコポリマーのほうがよく耐えます。

以上のような特性がありますが、設計する場合は、すべての性能を意識する必要はありません。製品自体が要求する性質を満たすことが大切です。

【ポリアセタール加工】加工方法

POM(ポリアセタール)の板・溶接棒

◇高い成形性

ポリアセタールは、溶融すると流動性がよいため、射出成型しやすい素材です。成形温度は、190~220℃(ホモポリマー)、金型温度120℃。コポリマーで、180~210℃、金型温度80℃。加熱しすぎると分解したり、黄変します。高結晶度なので、成形収縮が大きいです。押し出し成形で、パイプ材も製造されます。

◇溶接

ポリアセタールの溶接棒を熱して溶かしながらパーツを溶接します。そのほか、熱板溶接、超音波溶接という方法もあります。

◇接着

接着しにくい素材です。溶剤接着が難しいため、ゴム、エポキシ、シアノアクリレート系の接着剤などが用いられます。

◇切削加工

ポリアセタールは、機械的強度を持ち、吸水性も小さいため寸法を安定して出せる素材です。したがって、工作機械による切削加工を行いやすいという特徴があります。

【ポリアセタール加工】メリットと用途について

ノートとメリット

◇軽量化がはかれる

自動車や建材などに使われる各種部品は、プラスチックが持つ軽さが重宝されます。ポリアセタールは、強度、耐久性も高く、金属の代替として利用できる素材です。例えば、ギア、軸受、ベアリング、カム、ブッシュ、プーリー、スイッチなどは、ポリアセタールの耐疲労性、摺動性、耐摩耗性、機械的強度を利用したものです。

◇複雑な形でも効率よく生産可能

成形性、その他加工性が高いポリアセタールは、機械的強度、寸法安定性などもよいため、自動車部品や電子部品・半導体製造装置部品・食品製造装置部品など、複雑で細かな形状の部品として製造されています。金属やその他の材料で作るよりも、ポリアセタール等のプラスチックで設計製作すれば、複雑な形でも比較的簡単に各種部品を作ることが可能となります。

◇原料供給が安定している

電子部品や半導体製造装置部品、食品製造装置部品、医療機器の各種部品など、私たち現代人の暮らしになくてはならないアイテムに直接関わる装置のパーツは、安定して製造できなければなりません。ポリアセタールの場合、原料供給が安定していることから、長期的な心配がなく使用することができます。

ポリアセタールの加工を依頼するには

ポリアセタールの特性を押さえ、製品設計に活かしてください。最適なプラスチック素材、最適な加工方法については、弊社でご提案可能ですので、お気軽にお問い合わせください。その他、ポリアセタール以外の樹脂についても、製品設計時にお困りのことがあれば、お問い合わせください。高機能なプラスチック製品を低価格で製造できる技術を独自に開発しております。

試作や一個からの小ロット、1万個以上の量産品まで対応いたします。工程や材料などの無駄を徹底的に排除することで、他では真似できない低価格を実現しているのが強みです。メッキ・塗装・彫刻・その他表面処理などの樹脂加工に関わる周辺技術についても承りますので、どうぞお気軽にご相談ください。

ポリアセタール加工のことなら株式会社KDAへ

 
会社名 株式会社KDA (ケーディーエー)
代表取締役 木田 行則(プロフィールとごあいさつ)
住所 〒144-0055 東京都大田区仲六郷4丁目2−1
TEL 03(3733)3851
事業内容 プラスチック部品加工、セラミックス部品加工