プラスチックの基礎知識

MCナイロン®のメリットを紹介

  1. HOME
  2. プラスチック加工に関するお役立ち情報一覧
  3. MCナイロン®のメリットを紹介

 

MCナイロン®で部品をつくる

MCナイロン®は、三菱ケミカルアドバンスドマテリアルズ株式会社が商標登録を持っています。エンジニアリングプラスチックとして非常に高い性能を備えた樹脂です。電子部品加工や食品製造装置部品加工、半導体製造装置部品加工、食品製造装置部品加工など、様々な業界の各種部品加工で活躍しており、エンジニアリングプラスチックの代表格です。こちらでは、この素材のメリットやグレードに触れるとともに、加工、物性、色についても解説していきます。各種部品加工を依頼する前に、ぜひともチェックしてみてください。

MCナイロン®の各種部品加工を行う上でのメリットを解説

MCナイロン®は、本質は6ナイロンと呼ばれるポリアミド樹脂です。製法が異なるため、6ナイロンよりもエンジニアリングプラスチックとしてより高性能となっています。また、MCナイロン®はいくつかのグレードがあり、それぞれ特徴や用途が異なります。

MCナイロン®ってどんなもの?

MCナイロン®の板・溶接棒

MCナイロン®は、機械的強度や耐熱性などの6ナイロンが持つ特性をより高め、エンジニアリングプラスチックとして活躍しています。すなわち、汎用プラスチックである6ナイロンや66ナイロンと同じポリアミド系のナイロン樹脂ですが、これらナイロンが持つ弱点をカバーしています。ナイロンモノマーという素材が原料で、大気圧下で重合成形して製造します。MCナイロン®のMCは、monomer casting (モノマーキャスティング)、すなわち、モノマーを注型することです。

一般的なナイロン(6ナイロンを含む)は、ナイロンポリマーを溶融して金型に射出成型して製造します。ナイロンモノマーを重合して製造するため、結晶化度が高く、ひずみがなく、一般的なナイロンよりも各種物性、寸法安定性に優れた特性を持っています。また、添加剤を配合すれば、潤滑性を高め、導電性(帯電防止性)を付加したり、耐候性も強化することができます。MCナイロン®のメーカーは、主に4社。三菱ケミカルアドバンスドマテリアルズ株式会社は、MCナイロン®の商標登録を持っています。

MCナイロン®のグレード

MCナイロン®にはいくつかのグレードがあります。どういった目的の製品を設計製作加工するかによって、使い分けを行います。各グレードの特徴をご紹介します。

◇MC901/MC900NC(基本グレード)

MCナイロン®の白の板・溶接棒

MCナイロン®の基本グレードです。6ナイロンに比べ、機械的強度が高く、耐薬品性、耐摩耗性、耐熱性に優れており、プラスチック加工もしやすくなっています。一般的な産業機械、搬送機械、食品包装機械等の各種部品、ギヤ、ローラー、軸受、ライナー、車輪、ガイド、パレット等、これまで金属製の部品をMCナイロン®に置き換えて導入されています。MC901とMC900NCが異なるのは色だけで、MC901は着色が施された青色をしていますが、MC900NCは、ナチュラルホワイトです。MCナイロン®と言えば、MC901の青色がよく知られています。

◇MC801(耐候グレード)

MC801の板・溶接棒

基本グレードのMC901をベースに特殊グラファイトを添加して、耐候性や耐摩耗性を向上させたのがMC801です。その用途は、屋外で使用される建機、スライドプレート、軸受などが挙げられます。注意点としては、充填剤により導通性があるため、絶縁性を求める部品には向きません。

◇MC703HL(摺動グレード)

MC703HLの板・溶接棒

MCナイロン®の摺動性は、他のプラスチック素材と比べよいほうですが、MC901に特殊潤滑剤を添加し、摺動性、耐摩耗性をさらに向上させたものがMC703HL(摺動グレード)です。そのため、ガイドレールや軸受、搬送機械等の各種部品などに多く使われています。

◇MC602ST(高強度・耐熱グレード)

MC602STの板・溶接棒

基本グレードのMC901をベースに耐熱性と機械的強度をさらに向上させたのがMC602STです。ベースとなるMC901の連続使用温度が120℃程度なのに対し、MC602STは150℃です。そのため、より過酷な条件で使えるのが特徴です。例えば、車輪、ローラー、ギヤ、ライナー、そして各種冶具といった各種部品の素材として用いられています。注意点としては、MC602STは、酸性食品関連の用途には使用しないでください。

◇MC501

基本グレードのMC901をベースに、カーボン系充填剤を添加して、導電性または帯電防止性を付加したグレード。また、ノンカーボン系帯電防止グレードもあります。静電気を除去することができるため、電子部品加工や半導体製造装置部品加工、食品製造装置部品加工など、ホコリを避けたいシーンで活用されます。次に挙げる4つの種類があります。

・MC501CD R2(導電グレード)

MC501CD R2の板・溶接棒

カーボン系充填剤を使用。静電気の帯電防止、導電性を必要とする部品に使用。

用途:車輪、ローラー、ガイド、パレット、電子部品製造・搬送機械・クリーンルーム内装置部品。

・MC501CD R6(帯電防止グレード)

MC501CD R6の板・溶接棒

カーボン系充填剤を使用。静電気の帯電防止性を必要とする部品に使用。

用途:電子部品製造装置(パレット、ローラー、ハンドリング冶具等)、搬送機械、クリーンルーム内装置部品。溶剤使用箇所の部品。

・MC501CD R9(帯電防止・耐熱グレード)

MC501CD R9の板・溶接棒

MC501CD R2、R6よりも高抵抗域での帯電防止性を付加し、耐熱性(150℃)も向上させたグレード。

用途:R2、R6と同様。

・MC501AS R11(ノンカーボン帯電防止グレード)

MC501AS R11の板・溶接棒

カーボンを添加せず、帯電防止性能を付加。静電気減衰測定(JIS L 1094)による半減期が2秒以下。カーボン脱落によるパーティクルの発生がない。

用途:他のMC501と同様。

MCナイロン®の加工、物性、色について

MCナイロン®の可能な加工法、主な物性、グレードによる色の違い等を見ていきましょう。

MCナイロン®の加工方法と物性について

◇加工方法

Good!

MCナイロン®は注型ナイロンとも呼ばれ、素材メーカーでは、金型でモノマーを重合させて製造します。その素材を当社にて切削加工し、各種部品を製造します。MCナイロン®の素材は、射出や押し出し成形ではなく、大気圧下で重合させて行うため、大型・肉厚のものも可能です。加工性がよいので、当社のマシニングセンタやNC旋盤で容易に切削加工することが可能です。

◇物性

・機械的性質
熱可塑性樹脂としては引張強度が強く、広い温度帯でかなりの強度を示します。他のナイロンと比較すると高結晶であるため、温度上昇に伴う強度低下は小さいのが特徴です。

・熱的性質
荷重たわみ温度が200~215℃と、耐熱温度が高い素材です。他のナイロンと比べても高く、熱可塑性樹脂の中でも高いほうです。

・吸水性
ナイロン樹脂は、一般的に吸水性が高く、機械的性質、耐摩耗性などが低下してしまう欠点を持っています。MCナイロン®は他のナイロンに比べ、飽和吸水量が少なく、吸水速度も遅くなっています。使用環境にもよりますが、実際にはあまりトラブルは発生していません。

・耐薬品性
耐薬品性は、他のナイロン樹脂とほぼ同等。一般的に有機溶剤に強く、酸に弱い性質です。

MCナイロン®の樹脂の色について

各色MCナイロン®

MCナイロン®の特徴といえば、色も見逃せません。一般的にMCナイロン®といえば青色をイメージする人も多いでしょう。しかし、実際にはグレードによって色は異なります。グレードによる色分けは次のとおりです

  • ・MC901…青
  • ・MC900NC…アイボリー
  • ・MC801…黒灰色
  • ・MC801…黒灰色
  • ・MC602ST…茶色
  • ・導電性…黒色(ノンカーボンはアイボリー)

そもそも、MCナイロン®のカラーは、6ナイロンや66ナイロンと同じく、アイボリーがデフォルトです。つまり、青色をはじめとするこれらの色は、着色料によって表現しています。ただし、導電性のMCナイロン®は、カーボンが加えられていることによって黒色になっています。導電グレードであっても、カーボンが使われていないタイプは、デフォルトであるアイボリーが通例です。それでは、なぜ青色のイメージが定着したのでしょうか。一説には、プラスチックや樹脂が登場した当初、白色や黒色などが主流だったため、ベースとなるMC901を青色にすることで知名度を上げたといわれています。

もうひとつの説によると、汚れを目立ちにくくするためともいわれています。しかし、青色のMCナイロン®は日本特有の色です。ジャパンブルーとも呼ばれています。現在は、混入するのを防ぐためにも、ポリエチレンや超高分子量ポリエチレンにも青色が導入されています。また、グレードによる色の違いは、半導体製造装置部品加工や電子部品のような小さな作業において、それぞれを見分けやすくするのに大変重宝します。その他のプラスチック素材も、種類によって色が分けられていることが多いため、設計製作加工をする上でも、非常に役立つでしょう。

MCナイロン®の部品加工のご依頼

プラスチックには、様々な種類があります。MCナイロン®だけでもグレードが幅広く、選ぶ際に悩んでしまいがちです。しかし、メリットや特徴を押さえておくと、ふさわしい素材を選びやすくなります。設計製造時には、この記事や当サイトのコンテンツより、MCナイロン®をはじめとするその他の樹脂について、情報を得てください。

株式会社KDAでは、プラスチックの加工を手がけております。汎用プラスチック、エンジニアリングプラスチック、スーパーエンプラに至るまで、様々な種類のプラスチック材料を取り扱っており、各種工作機械による切削加工(基本的な加工から同時5軸加工など)、各種プラスチック成形、各種高速造形(光造形、積層造形、3Dプリンタ)、溶接、接着、曲げ、メッキ、ブラストなど、各種加工技術をご提供いたします。

MCナイロン®のことなら株式会社KDAへ

 
会社名 株式会社KDA (ケーディーエー)
代表取締役 木田 行則(プロフィールとごあいさつ)
住所 〒144-0055 東京都大田区仲六郷4丁目2−1
TEL 03(3733)3851
事業内容 プラスチック部品加工、セラミックス部品加工