プラスチック成形加工

熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂 適する成形法

プラスチックの種類によって、できる成形法とできない成形法があります。

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樹脂の種類と適する成形方法

数多くの樹脂成形方法がある中、どの方法を選択するかはプラスチックの種類によって決まります。 ここでは、大まかにプラスチックを「熱可塑性樹脂(プラスチック)」と「熱硬化性樹脂(プラスチック)」で分け、各種成形方法について、現状活用されているか否かを見てみましょう。

熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂における適する成形法

成形法 熱可塑性樹脂 熱硬化性樹脂
押出成形 ◎ △
射出成形 ◎ ○
カレンダー成形 ◎ ×
ブロー成形 ◎ ×
FRP成形 ○ ◎
積層成形 ○ ◎
注型 △ ◎
粉末成形 ○ ×
溶液流延法 ○ △
真空・圧空成形 ◎ ×
押出複合成形 ◎ ×
延伸成形 ◎ ×
発泡成形 ◎ ◎
接着剤・塗料 ◎ ◎
各種二次加工 ◎ ◎
表中の記号は、活用されている度合いを表現。  ◎:大きい ○:中くらい △:少ない ×:ない
【参考文献】 上表は、(株)シーエムシー発行「プラスチックが身近になる本」2001.10.31発行より抜粋。

殆ど可能な熱可塑性樹脂、限定される熱硬化性樹脂

上の表からわかる事は、

  • 熱可塑性樹脂は、殆どの成形法が可能
  • 熱硬化性樹脂は、FRP成形、積層成形、注型、発泡成形などに限定される
    (→成形の工程で延伸などを伴うものは、熱硬化性樹脂ではできない傾向。)
ということです。 

熱可塑性樹脂は、加熱・軟化させて成形し、更に加熱して成形できる性質があるため、熱を抱える時間が長くても変質しませんが、熱硬化性樹脂は、化学反応が進んで硬化してしまい再び軟化することはありません。

従って、加熱・軟化時間が長くても大丈夫な熱可塑性樹脂は様々な成形に対応でき、加熱すると硬化してしまう熱硬化性樹脂は、ブロー成形、カレンダー成形、延伸成形、真空・圧空成形などには対応できない、ということだと考えます。